ダイゴと付き合ってる夢主
あれほど不用意な発言には気をつけろと言い聞かせたのにまた私はやらかしてしまっていた。 それは先週、時間があるからと家に寄ったダイゴとソファで寛いでいた時のこと。ミクリさんが載っているからと買った雑誌をパラパラと捲っていたら、少し気になっている俳優が珍しく眼鏡を掛けている写真が目に留まった。 「かっこいいなぁ」 思わず漏れ出たそれはダイゴの耳にも届き「何が?」と雑誌を覗き込まれた。 「ふぅん、こういう男性が好みなんだ」 ぐいと近づいたダイゴはそのまま私に寄りかかってきて。そういう意味じゃないよと返したけれどちっとも聞いてくれず「{{kanaName}}の1番はボクじゃないとダメ」そのままソファへ押し倒された。そうしてそのまま流されるように事に至ったから、私の漏らしたあの言葉は、うまく口実に使われただけだと思っていた。あの時の私はまさか失言だったとは露とも思っていなかった。 過去を振り返るのはやめて現実に目を向けてみれば。私はダイゴとのデートの待ち合わせ場所に向かっていて目的の場所はもう目の前だ。ダイゴはいつも必ず私より先に着いていて、それは今日も例外ではない。目の前にはダイゴの姿が見えている。でも、それは私のよく知るダイゴとは様子が違っていて、あの小さな呟きが不用意な発言だったとようやく気がついた。 少し暇そうな顔で待っている彼は、いつもと雰囲気がまるで違っていた。あの俳優が掛けていたような黒縁眼鏡を掛け、それに合わせて服装もいつものスーツではなく白のタートルネックに黒のジャケットを羽織っている。思わず惚けて見とれてしまい、ダイゴがこちらに気がつくまでの十数秒は一瞬のように溶けてしまった。 「たまにはこういうのもどうかと思ってね」 私の視線に気づいたダイゴが小さく笑う。くいと眼鏡を上げる仕草も様になっていて、その気障な態度に思わず顔を逸らした。ダイゴには絶対に言えないけれど、普段の格好だってようやく照れずに見つめられるようになったばかりだった。だから予告無しにそんなことをされたら平静を保てるはずがない。耳まで赤くなっているのが自分でも分かるほど身体が熱い。いつの間にか絡められた指が痺れてくる。 「ねぇ、ボクにもかっこいいって言ってよ」 耳元でそんなことを囁かれてしまえばもう限界で。 「帰りたい」 今のが不用意な発言であることは言うまでもない。