満足して眠ったダイゴがまた食べたくなる話。 ※ダイゴ視点 (『#ベッドルームのワードパレット』3.宵)
静かな世界に何かが鳴り響いていた。ふわりと浮かび上がった意識が音を拾う。聞き馴染みのある音だ。これは、そうだ、この電子音は、ボクのポケナビだ。ダイゴはぼんやりとした意識で音の正体に気が付く。どうやら電話が掛かってきている。早く起きて取らなければ。 けれどぼんやりまどろむ意識では起き上がるのはおろか、目蓋さえ開けることが出来ない。まるで金縛りにでも遭ったように全身が重い。ダイゴは眠気に勝てなかった。 やがて、煩く鳴っていた電子音はぴたりと止んだ。聞こえてくるのはカーテンの揺れる音だけ。ダイゴは肌を撫でる心地好い風に誘われるまま、再び意識を夢の中へと沈めた。 しばらくして、ぱちりと目を覚ました。部屋の中はいつの間にか暗くなり、静かに佇むカーテンの奥、窓の外に見える景色も夜の闇に染まっている。ダイゴはゆっくりと瞬きをして、ふあぁ、と大きなあくびを零した。 「おはよう、ダイゴくん」 天井を向いていた視線を90度傾けると、眠たげな顔をした{{kanaName}}と目が合った。とろん、とした瞳にぼやけた顔の自分が写り込む。 「二人とも寝ちゃってたね」 気恥ずかしそうに{{kanaName}}が笑うから、ダイゴも同じように頬を緩めた。 二人でゆっくり過ごしたいと言ったダイゴに対し、{{kanaName}}は自宅へ招いて手料理を振舞ってくれた。{{kanaName}}の手料理ランチはどれもダイゴの好みで、もちろん料理は全てダイゴの腹へと収まった。その後はダイゴが彼女の為に採掘した鉱石を一緒に眺めたり他愛もない話をしていたが、どちらともなく互いの肌に触れ、熱を視線を交わし、二人で横になるには少し狭いベッドに倒れ込んでいた。その後何があったかは、わざわざ思い出さなくとも分かっている。 「どうする? 何か食べる?」 ふぁ、とひとつあくびをして{{kanaName}}が訊ねる。ダイゴと違ってまだうつらうつらする{{kanaName}}は眠たげな目を擦って続けざまにもう一つ大きなあくびをする。目尻に溜まった涙を{{kanaName}}の小指が掬う。 ふつり、ダイゴに欲が湧く。 「食べたいな」 ダイゴが手を伸ばす。ガラス細工を扱うように慎重な手つきで{{kanaName}}の頬に触れると、顎を捕まえて唇を奪った。{{kanaName}}のねぼけまなこがキョトンと瞬きをして、ふにゃりととろけた笑顔が咲く。 「ダイゴくんのえっち」 その口を塞ぐようにダイゴはもう一度キスをする。そうして愛してやまない恋人を自分の腕の中に閉じ込めると、その柔肌にかぶりついた。