眠っている夢主と合鍵を使うダイゴ
真夜中、何処からか物音がして意識がゆっくりと夢から起き上がる。目は閉じたまま、あのおとはなんだろう、こっちにちかづいてくる、なんだろう、うまく動かない頭でぼんやりと音を追う。 またエネコがかってにボールからでてるんだ、でも今日はいつもよりしずか、いつもと何かちがう、物音を立てずこちらに近寄る気配はエネコのそれとは違っていた。それでもまだ目の覚めない私は近寄ってくるエネコではない存在の物音に耳だけ向ける。 ぎし、ベッドが軋む。 エネコはもっと軽やかに乗ってくるしあるいは弾丸のように勢いよく飛び乗ってくる。だからこれはエネコなんかじゃない。 ようやく意識が覚醒して重たかった瞼がばちりと開く。 「ふぇっ、わっ、ダイ、ゴ……」 目を覚ましたらダイゴが馬乗りになっていて、そもそも此処は私の家でダイゴが来るなんてそんなこと聞いてもいないし普段の彼ならいくら合鍵を持っててもこんな事する訳がなくて。だからこれはきっとまだ夢の中、私はまだ起きていないんだ。 「な、にしてるの……」 「トクサネに戻るのが面倒だったから、つい」 カーテンの隙間から零れる月明かりは頼りなく、ダイゴの表情はあまり見えないけれど、それでもこれだけは分かる。いつもよりわずかに息が上がり頬に赤みが差しているダイゴは面倒で手に負えない、と。 「こうやってきみのこと見ていたら、」 ダイゴの劣情に溺れた笑みが私の耳元に寄せられて、耳にかかる吐息が私の体を疼かせる。 「酔っちゃった」 ――{{kanaName}}に。 そうして私は夢とも現とも分からない時間へとずぶりと落ちてゆく。