ダイゴ視点 不機嫌な夢主とそれすら愛おしいダイゴ
久々に{{kanaName}}と休みが合って一緒に一日過ごしたその日の終わり、ソファで二人並んで寛ぎながらこのまま帰してしまうのは勿体ないとその華奢な腰を抱き寄せた時だった。 「お仕事なのは分かってるんですけど、」 つんと尖った唇が拗ねた声を出した。心なしかボクから離れようと僅かに体を動かしたようにも感じられる。何だい、と少し不審に思いながら伏せた顔を覗き込むと眉間に皺を寄せた顔が逃げるように視線を逸らす。その様子から不満がある事は分かったものの残念ながらその理由は思い当たらない。ダイゴは続きの言葉を待った。 「お座敷遊びが上手になっていくダイゴさんはあんまり好きじゃないです」 何の事だろうと聞き返そうとしてはっと思い当たる事があった。 先週、ボクから夕食に誘ったくせに当日に急用だと断ってしまったことがあった。その急用というのが親父に着いて来いと言われたいわゆるお茶屋での接待だ。その事は一切彼女へ伝えていなかったがどういう訳か知ったのだろう。接待に連れ回された事は誰かにぽろりと零した記憶がうっすらとある、つまらないとは言わないが彼女と食事をする方が何倍も楽しいから酷く疲れたよ、と。 「ならないよ」 疑る瞳がダイゴに向けられる。{{kanaName}}の眉間に刻まれた皺は意外と深く、思わず空いた方の手で柔らかくつつけば再びふいと顔を背けられてしまった。 「だってそもそもボクが下手な訳がないじゃないか」 {{kanaName}}にこちらを向いてもらいたくてつい意地悪な言い方をすれば思った通り怒ったような呆れたような顔がダイゴを睨めつける。そして文句の一つでも言おうとする彼女の口へ指を押し付け黙らせると、そのまま覆い被さるように体重を掛けた。 「この前は申し訳なかったと思ってる」 額に掛かった前髪を指で払って唇を落とす。赤く色付く頬が愛おしくて自然と頬が緩んだ。 「だったら、」 薄い膜を張った瞳がゆらり揺れてダイゴを見つめ返す。僅かに開いた口は何かを紡ごうと動いているがまだ声にはならないようで。薄紅のルージュに濡れた唇に今すぐ吸い付きたい衝動をどうにか抑え、紡がれる言葉に耳を傾ける。 「だったら次からは、隠さないでください」 行かないでと言えるほど子供でもなく、笑って知らない振りが出来るほど大人でもなくて、そのいじらしさに胸を鷲掴みにされる。ぐらぐらと揺さぶってくる色欲を無理やり押し隠して「分かった」唇に笑みを浮かべると、 「今日はもう遅いから泊まっていきなよ」 堪えきれずに顔を出した色欲に任せてキスを待つその唇に影を落とした。