とびきりの石を贈るダイゴと付き合ってる夢主
「これを見つけた時まず最初に思い浮かんだのがきみだったんだ」 よく晴れた空のような青い瞳がきらりと輝きわたしに向けられた。 自由気ままに石の採掘に向かっていたダイゴから連絡があったのはつい30分ほど前のことだった。『良い石を見つけた』とメッセージがポケナビに届いたと思ったら矢継ぎ早にポンポンと『君に見せたい』『今からそっちに行く』とメッセージが連なっていった。 30分後、窓の外から大きなポケモンの羽ばたく音が聞こえチャイムが勢いよく鳴り響く。今日は早いな、なんて思いながら扉を開ければいつもより少し顔の赤いダイゴがわたしの両手をぎゅっと掴む。びっくりして間の抜けた悲鳴を上げれば「ごめん」と手が離れた。 文字通り洞窟から飛んでやって来たダイゴの頬には泥が付き、いつもの爽やかな香りとは打って変わって土臭さを漂わせている。服装も普段のスーツではなく橙のシャツに焦茶のベストを着ていて、そんなダイゴはもちろん御曹司サマにもチャンピオンにも見えず、すっかり顔の良い山男だ。 そんな山男さんが興奮冷めやらぬ顔でリュックから取り出したのは手のひらに収まるほどの、彼が採ってくるには比較的小さな石だった。 「どうだい、この水晶」 水晶は比較的見つかりやすい石でダイゴは度々持ち帰ってはわたしに気に入ったものをプレゼントしてくれていた。明かりにかざすとキラキラと煌めくそれは金銭的な価値はあまりないらしい。けれど今わたしの手のひらで夕焼けに照らされたこの水晶は果たしてどうだろう。 「これを見つけた時まず最初に思い浮かんだのがきみだったんだ」 ふにゃり、ダイゴが柔らかな笑顔を見せる。 「これを見た{{kanaName}}はどんな風に笑ってくれるかな、って」 じっと見つめるダイゴと目が合う。どこか照れたようにみえる表情にわたしまで恥ずかしくなって頬に熱を、耳が熱くなるのを感じる。 「双晶っていうんだ、これ」 ダイゴがわたしの手のひらできらりと光る水晶をつつく。双晶と呼ばれたその石は、名前の通り二本の水晶で出来ている。根元でひとつに結合したそれはずいぶんと可愛らしい形をしていた。 「産地によって角度が異なっていてね、この辺りのものは特にホウエン式双晶っていうんだよ」 水晶で出来たハートが夕焼けに照らされ輝いている。確かに綺麗で可愛いけれど、それでもどうしてわたしを思い浮かべたのかまだ理由が分からない。 「でもその名称よりも夫婦水晶と呼ばれる方が多いかな」 言ってから、照れたように視線を逸らすから何だかわたしも恥ずかしくなって。これを見つけて、名前を思い出して、わたしを思い浮かべたなんて、それはまるで。 「これ、受け取ってくれるかい」 きっと深い意味はないのだけれど、それでもこれを受け取ることには大きな意味があるような気がしていた。わたしはゆらぐ視界いっぱいにダイゴを映して返事を紡いだ。