【君に恋して、流星】

 ココドラをボールに戻してバトルコートから出ると、隣のコートから試合開始の号令が聞こえた。振り返る。よく磨かれたモンスターボールが投げられていた。
 綺麗な放物線だった。ボールを投げるのが上手な子って誰だっけ。視線を動かす。あっ。
「ぼーっとして、どうしたんだよダイゴ」
「いや、別に……何でもないよ」
 クラスメイトに声を掛けられ首を振った。でも気になってもう一度振り返る。勝ち気そうな瞳が相手のアチャモを睨んでいた。さっき見た、ミズゴロウに向けた笑顔はもうどこにもない。
「……可愛かったな」
 自分でも気付かないうちに零れていた。ボクは何を言ってるんだろう、急いで口を閉じる。けれど視線だけは隣のバトルコートから離せない。特別注目するような試合でもないのに、どうしても見ずにはいられなかった。
――それが、ボクが恋に落ちた瞬間だった。